2.肝臓の病気が分からなかったら

肝硬変

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① 肝硬変とはどんな病気ですか?
肝硬変は、肝炎ウイルス、アルコール、脂肪肝などの原因で肝臓の炎症が長く続き、肝臓に「線維(かたくなる部分)」が増えて全体が硬くなった状態です。進行すると、肝臓の働きが低下したり、肝臓の血流が滞ったりして、さまざまな合併症が起こります。
※初期(代償期)は症状がほとんどないこともあり、検査で見つかることがあります。
② 肝硬変の原因は何ですか?
肝硬変は「肝臓の状態(結果)」であり、原因は1つとは限りません。代表的な原因は次のとおりです。
  • ・B型肝炎、C型肝炎(ウイルス性)
  • ・アルコール(長期間の多量飲酒など)
  • ・脂肪性肝疾患(肥満、糖尿病、脂質異常などに関連)
  • ・自己免疫(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎など)
  • ・まれな病気(ウイルソン病、ヘモクロマトーシスなど)
③ どんな症状が起こりますか?(代償性/非代償性とは?)
肝硬変は、症状がほとんどない「代償性肝硬変」と、合併症が出てくる「非代償性肝硬変」に分けて考えます。

よくみられる症状・合併症
  • ・むくみ、腹水(お腹が張る)
  • ・黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
  • ・食道・胃静脈瘤(破れると吐血や黒色便の原因になります)
  • ・肝性脳症(ぼんやりする、会話がかみ合わない、眠気が強い など)
  • ・だるい、疲れやすい、食欲低下
  • ・出血しやすい(血が止まりにくい)、あざができやすい
  • ・血小板が減る(脾臓が大きくなることが関係します)

また、肝硬変は肝がんが発生しやすい状態でもあります。症状がなくても定期的な検査が大切です。
④ 肝硬変はどうやって診断しますか?どんな検査をしますか?
肝硬変の診断や重症度(肝臓の余力)の評価は、複数の検査を組み合わせて行います。

よく行われる検査の例
  • ・血液検査:アルブミン、ビリルビン、凝固(プロトロンビン時間)、血小板など
  • ・画像検査:腹部超音波、CT、MRI
  • ・肝臓の硬さを測る検査(肝硬度測定)
  • ・内視鏡検査:食道・胃静脈瘤の有無を確認(必要に応じて)

【受診を急いだ方がよいサイン】
  • ・吐血、黒色便(真っ黒い便)
  • ・急に意識がぼんやりする/会話がかみ合わない
  • ・急にお腹が張る、強い腹痛や発熱を伴う
このような場合は、早めに医療機関へ相談してください。
⑤ 肝硬変は治りますか?治療と日常生活で大切なことは?
肝硬変の治療は、大きく「原因への治療(進行を止める・遅らせる)」と「合併症への治療(症状を抑える)」の2本柱です。原因を治療できるほど、将来の合併症や肝がんのリスクを減らせる可能性があります。

1)原因への治療(例)
  • ・C型肝炎:内服治療でウイルス排除を目指します
  • ・B型肝炎:病状に応じて抗ウイルス治療を行います
  • ・アルコール:禁酒が最重要です
  • ・脂肪肝:食事・運動による体重管理、糖尿病や脂質異常の治療が重要です

2)合併症への治療(例)
  • ・腹水やむくみ:塩分制限、利尿薬など
  • ・肝性脳症:便通を整える治療、薬など
  • ・静脈瘤:内視鏡での予防・治療
※治療は病状によって異なります。

3)日常生活でのポイント
  • ・薬やサプリは自己判断で増やさず、必ず主治医に相談する
  • ・食事(塩分・たんぱく質など)や運動は、病状で方針が変わるため医療者の指示に従う
  • ・肝がんや合併症の早期発見のため、定期的な通院・検査を続ける
⑥ チャイルド分類って何ですか?制度でよく聞く「重度肝硬変」はチャイルド分類何点以上ですか?
「チャイルド・ピュー(Child-Pugh)分類」は、肝硬変の重症度分類で、肝予備能の診断にも用いられます。
この分類により治療法を決定します。

以下の結果を基準として、5項目の合計点数により、3段階(グレード)に分類します。
1点 2点 3点
肝性脳症 なし 軽度(I/Ⅱ) 時々昏睡(Ⅲ以上)
腹水 なし 少量(1~3L) 中等量(3L以上)
血清ビリルビン値(㎎/dL) 2.0未満 2.0~3.0 3.0超
血清アルブミン値(g/ dL) 3.5超 2.8~3.5 2.8未満
プロトロンビン活性(%) 70超 40~70 40未満

各項目のポイントを加算し、その合計点で分類します。
グレードA 5~6点 代償性 : 軽度の肝硬変で肝臓の機能がなんとか保たれている状態です。この状態を保つことが大切です。
グレードB 7~9点 代償性から非代償性への過渡気 : 中程度の肝硬変で、軽度な合併症がみられます。
グレードC 10~15点 非代償性 : 重度の肝硬変で肝臓の機能が維持できなくなり、様々な症状や合併症が現れます。

肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業における「重度肝硬変」や、身体障害者福祉法(身体障害者手帳)の肝機能障害は、グレードB(チャイルド・ピュー分類:7点)以上です。

※身体障害者福祉法の肝臓機能障害の対象について、以前はグレードCのみでしたが、平成28年から対象が拡大し、グレードB以上になりました。
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