B型肝炎
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- ① B型肝炎ウイルス(HBV)の感染経路は?
- 出産時の母子感染(垂直感染)と性行為に伴う感染(水平感染)が主な感染経路です。母子感染では持続感染(B型慢性肝炎、HBVキャリア化)に移行する場合が多く、性行為感染では一過性感染(急性肝炎)で終息する場合が多いとされています。
- ② 感染を予防するには?
- HBワクチンと抗HBsヒト免疫グロブリンが使われます。
日本では1985年から、これらを用いた母子感染防止事業が開始されました。当初はHBe抗原陽性のHBVキャリア妊婦から生まれた児が対象でしたが、1995年からはすべてのHBVキャリア妊婦から生まれた児に対象が拡大されました。2016年からはHBワクチンは定期接種になり、2016年4月1日以降に生まれたすべての0歳児が対象になりました。
HBV汚染血に対する針刺しなどで暴露した場合、HBs抗体が陰性であれば、同じようにHBワクチンと抗HBsヒト免疫グロブリンを用いて感染予防を行います。 - ③ B型肝炎ウイルスの検査項目の意味は?
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HBs抗原 HBVに感染している HBs抗体 過去のHBV感染、もしくはHBワクチン接種後 HBc抗体 HBV感染している、もしくは過去のHBV感染 HBe抗原 HBVの増殖力強い HBe抗体 HBVの増殖力低下 HBV-DNA HBV量を反映 - ④ B型慢性肝炎は、いつ治療が必要でしょうか?
- ALTが異常値を示し(≥31IU/L)かつHBV-DNAが一定量以上(3.3logIU/mL)の場合抗ウイルス療法を考えます。肝硬変に至っている場合には、HBV-DNA陽性であれば抗ウイルス療法を考えます。
- ⑤ De novo B型肝炎とは?
- B型肝炎が治癒した状態(HBs抗原陰性、かつHBs抗体もしくはHBc抗体陽性)の患者さんが免疫抑制剤・抗がん剤などの投与を受けた場合、肝臓内に残存していたわずかなウイルス遺伝子から再びB型肝炎ウイルスが増殖して肝炎が発症する場合があり、De novo B型肝炎と呼ばれています。De novo B型肝炎は劇症肝炎に進行しやすい事、劇症肝炎に進行した場合の致死率が高い事が知られている危険な病気です。免疫抑制剤・抗がん剤の投与前にはHBc抗体とHBs抗体の確認が必要です。
- 1.肝臓の検査が分からなかったら
- 2.肝臓の病気が分からなかったら
- 5.肝炎医療コーディネーターの活動が分からなかったら