
自己免疫性肝炎
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- ① 自己免疫性肝炎(AIH)とはどんな病気ですか?
- 自己免疫性肝炎(AIH)は、本来は体を守る免疫が“自分の肝臓”を誤って攻撃してしまい、肝臓の炎症が続く病気です。慢性肝炎の一種で、放置すると肝硬変へ進行することがあります。
- ② どんな症状がありますか?健診で見つかることもありますか?
- 症状がある場合は、だるさ(倦怠感)、食欲低下、吐き気、右上腹部の違和感などがみられます。黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)が出ることもあります。
一方で、症状がほとんどないまま、健診などの血液検査で「肝機能異常(AST/ALT高値)」として見つかることも少なくありません。 - ③ AIHはどんな検査でわかりますか?
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AIHの診断は、血液検査だけでなく、他の病気(ウイルス性肝炎、薬剤性、脂肪肝、胆道系の病気など)を除外しながら、複数の情報を組み合わせて行います。
よく行う検査の例- ・血液検査:AST/ALT(肝細胞の傷みの指標)、IgG(免疫の活性の指標)
- ・自己抗体の検査:抗核抗体(ANA)など(AIHで陽性になりやすい抗体)
- ・画像検査:超音波などで肝臓の状態を確認(他の病気の除外にも役立ちます)
- ・肝生検(肝臓の組織検査):必要に応じて行い、AIHに特徴的な所見があるかを確認します
- ④ 治療はどんなことをしますか?
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AIHの治療の基本は、免疫の働きを抑えて肝臓の炎症を落ち着かせる「免疫抑制療法」です。多くの場合、ステロイド(プレドニゾロンなど)が中心になります。病状により、ステロイドを少量で維持したり、アザチオプリンなどを併用して再発を防ぐことがあります。
治療の目標- ・血液検査(AST/ALT、IgGなど)が落ち着き、炎症が抑えられた状態(寛解)を目指します。
- ・治療が不十分だったり、自己判断で中断すると、再燃(悪化)したり、肝硬変へ進行しやすくなるため注意が必要です。
※適切に治療を続ければ、コントロールできる方が多い病気です。 - ⑤ 薬(ステロイド等)の副作用や、日常生活で気をつけることはありますか?
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ステロイドなどの薬は効果が高い一方で、副作用が出ることがあります。心配なことは自己判断で中止せず、主治医に相談してください。
起こり得る副作用の例(特にステロイド)- ・血糖が上がる、体重増加、むくみ、血圧上昇
- ・骨がもろくなる(骨粗しょう症)
- ・感染症にかかりやすくなる
※開始量や期間、体質によって異なります。必要に応じて骨の検査や予防薬が検討されます。
日常生活のポイント- ・薬は決められたとおりに内服し、通院・採血を続ける(再燃を早く見つけるため)
- ・市販薬やサプリは、肝臓に負担になるものもあるため、始める前に主治医へ相談する
- ・飲酒は肝臓の負担になるため、主治医の指示に従う(禁酒を勧められることもあります)
- ・妊娠希望や授乳中の方は、薬の調整が必要なことがあるため早めに相談する
原発性胆汁性胆管炎
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- ① 原発性胆汁性胆管炎(PBC)とはどんな病気ですか?
- PBC(原発性胆汁性胆管炎)は、肝臓の中にある「細い胆管(胆汁の通り道)」が主に免疫の異常(自己免疫反応)によって少しずつ傷つき、胆汁の流れが悪くなる病気です。その結果、胆汁が肝臓の中にたまりやすくなり(胆汁うっ滞)、肝臓に負担がかかります。
※中年以降の女性に多いことが知られていますが、男性にも起こります。
- ② どんな症状がありますか? 無症状でも見つかりますか?
- PBCは、初期には症状がほとんどないことも多く、健診や他の病気の検査で「胆道系酵素(ALP、γ-GTP)が高い」ことをきっかけに見つかることがあります。
症状がある場合の例- ・皮膚のかゆみ(特に夜間に強いことがあります)
- ・だるさ(倦怠感)
- ・黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
- ・尿が濃くなる、便が白っぽくなる
- ③ PBCはどうやって診断しますか?どんな検査をしますか?
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PBCの診断は、血液検査を中心に行い、必要に応じて画像検査や肝生検(組織検査)を組み合わせます。重要なのは「肝臓の中の細い胆管の病気(PBC)」なのか、胆石などの「胆管が詰まる病気(閉塞)」なのかを区別することです。
よく行う検査の例- ・血液検査:ALP、γ-GTP(胆汁うっ滞の指標)、ビリルビン
- ・免疫の検査:抗ミトコンドリア抗体(AMA)、IgM など
- ・画像検査:腹部超音波、CT、MRI/MRCPなど(胆石や腫瘍など“詰まり”がないか確認)
- ・肝生検:診断を確かにしたい場合、他の病気との区別が必要な場合、病状(線維化)の評価が必要な場合に行われます
- ④ 治療はどんなことをしますか?薬は一生飲む必要がありますか?
- PBCの基本治療は、ウルソデオキシコール酸(UDCA)の内服です。多くの場合、長期(継続)内服が必要になります。
UDCAで血液検査が十分に改善しない場合は、病状に応じて追加治療(例:ベザフィブラートの併用など)が検討されることがあります。※薬の選択や用量は病状や合併症によって異なるため、主治医と相談して決めます。※自己判断で中止すると悪化することがあるため、必ず医師の指示に従ってください。 - ⑤ かゆみなどの症状にはどう対応しますか?合併症や注意点はありますか?
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PBCでは、かゆみやだるさが生活の質(QOL)に影響することがあります。症状がつらいときは我慢せず相談してください。
かゆみへの対応(例)- ・保湿、入浴後のスキンケア、刺激の少ない衣類
- ・症状に応じて内服薬を検討(薬は複数の選択肢があります)
PBCで注意したいこと(例)- ・肝機能の悪化が進むと黄疸が強くなることがあります
- ・長期的には肝硬変へ進行することがあり、定期的な通院・採血・画像検査が重要です
- ・胆汁うっ滞が続くと、骨がもろくなる(骨粗しょう症)などが問題になることがあるため、必要に応じて評価や予防が行われます
- ・進行例では肝移植が検討されることがあります
【受診を急いだ方がよいサイン】- ・黄疸が急に強くなった
- ・尿が濃い/便が白っぽい状態が続く
- ・強い倦怠感、食欲低下、発熱や腹痛がある

- 1.肝臓の検査が分からなかったら
- 2.肝臓の病気が分からなかったら
- 5.肝炎医療コーディネーターの活動が分からなかったら





















